Ian McDonald

Ian McDonald

10月25日から始まったIan McDonaldの展覧会も残すところ1週間となりました。
Playmountainでの開催は2012年が最後、実に13年ぶりです。2013年以降はギャラリースペース「CURATOR'S CUBE」にて大きな作品を発表してきましたが、今回は会場となるPlaymountainに合わせて小さなスケールの作品を制作してくれました。

現在、ミシガン州を拠点に活動しているイアン・マクドナルドは、クランブルックアカデミーオブアートの陶芸学科学長を勤めながら精力的に作品制作を続けています。


彼の作品は、「押出成形」という技法でパーツを作り、それらを組み合わせて形を作っていきます。
真っ直ぐなラインや記号のような曲線は一見すると工業製品のよう。そして、薄く繊細に重ねた釉薬の表情は、焼き物でありながら違う素材のようにも感じられます。





これらの作品はイメージした形に焼き上がるよう、時間をかけて乾燥させ、窯の温度を調節しながら型を使わずに焼き上げます。言葉にするととてもシンプルな作業ですが、これまでの経験や繊細で緻密な手仕事があってこそ、この潔い佇まいが生まれます。素材の特性を知る方ならこの工程の多さをきっと想像することができるはずです。





今回初めてお披露目となったタイル作品は、立体作品の一面をいくつも写し取り1枚の絵画に仕上げています。彼はこの表現を「ゴーストプリント」と呼んでいます。立体作品を作る過程で見つけた美しいものを、幾度も試作して自分の作品としてアウトプットしたんだろうと想像できます。





過去の作品を振り返ると、一貫した彼らしい表現の中に、釉薬の掛け方や形の仕上げ方、細部に作品の質を高める変化を感じます。初めて見る方もこれまでの彼の作品を知っている方も楽しめる展示になっています。



Ian McDonald
"Return to Playmountain
2025.10.25 sat - 11.9 sun
会期中無休



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