愛知県瀬戸市で制作を行うガラス作家、中村真那さん。
彼女は、富山ガラス造形研究所でガラスの基礎を学び、その後、瀬戸の新世紀工芸館で研修生として技術を磨いてきました。世界で活躍する作家から教えを受け、アメリカでもグループワーク制作に参加するなど、豊かな経験を持ちます。
先日、瀬戸の工房で制作風景を間近で見てきました。
立っているだけで汗が滲むほどの熱気に包まれた工房、彼女は溶けたガラスの塊に息を吹き込み、丁寧に、そして流れるような手つきで形を整えていき、独自の手法で気泡を含んだテクスチャーを生み出していきます。
黙々と作業をする、その真剣な眼差しの一方で、時折見せる楽しげな笑顔がとても印象的でした。
そうして作られた作品は、軽やかな見た目ながらも、実際に手に取ると確かな重みが感じられ、オブジェとして空間に置いた時、どこか明るく不思議な存在感を放ち、景色を変えて見せてくれます。
中村さんの使う技法は、吹きガラスだけに留まらず、パウダー状のガラスを粘土のように手びねりのように付着させて積み上げていく、陶芸作品を思わせる技法、そして型を用い発泡させるキルンワークと、多様な技法を操りガラスの可能性を追求しています。そんな彼女の姿勢が作品ひとつひとつに奥行きを与えます。
彼女の明るく、はつらつとした人柄が、造形や柔らかく彩りのある作品に鮮明に映し出されています。きっと手にする人の心を惹きつけ、豊かな気持ちにしてくれることでしょう。
この機会にぜひ手に取ってお楽しみください。
"Chasing Foam"
Mana Nakamura Glass Works
2025.07.19 sat - 07.27 sun