オリジナルプロダクトラインでもあるMarmoleum(マーモリウム)シリーズについてお話しします。
この聞きなれない“マーモリウム”とは 素材の名称を指し、床材として使用されることが多い建材です。
見た目はビニールのようですが、亜麻仁油や石灰岩などの天然の材料からできており、環境に優しい素材として、医療・教育・公共施設、オフィス、店舗、住宅など、世界中の様々な場所で使用されています。
“リノリウム”というと、聞き覚えがある方もいらっしゃるかもしれませんね。
Alvar AaltoやMagnus Olesenをはじめ世界中の様々なデザイナーたちが、テーブルやスツールなどのトップに好んで使用しています。
カラフルだったり、程よい中間色もあったり、絶妙に柔らかさをもつ弾力も魅力です。
マーモリウムもリノリウムの一種なのです。
そんな素材をランドスケーププロダクツの家具へも使用できないかな と、資料を見ていたときに、面材でありながら可塑性(力を加えて自由自在に形を整えることの出来る物性)があり、床から壁に緩やかに立ち上げたり、曲面成形ができる特性に着目し、その特性を活かしたプロダクトに転用するのはどうかという考えに行き着きました。
数あるマーモリウム材の中でもぼくたちはチョコレートの製造時に残ったカカオ豆の粉砕した殻を素材へ加えたグラフィカルな表情のものをチョイス。
もちろん、家具にも使用して、天面の新しい選択肢を増やしました。



今後はシリーズのバリエーションも徐々に増やしていこうかと考えています。
現在ではあたりまえのように新しいデザインの誕生や、様々な素材の加工が可能となっていますが、振り返ってみれば、ブロイヤーやアアルト、イームズなどといった時代を超えたデザイナーたちの着眼点、また理想の実現に向けた信念と技術革新の賜物によるものが大きいのです。
木が曲がっていたり、鉄が曲がっていたり一見あたりまえのことのようですが、その手法やなぜそれが成り立っているのか?に注目してみてください。
これまでのあたりまえが違って見えてくるかもしれません。
そんな偉大なデザイナーたちには足元にも及びませんが、彼らに敬意を表してぼくたちなりの目線でこれからも物づくりを行っていきたいと思います。