PALO SANTO PLATE / ふもと窯

PALO SANTO PLATE / ふもと窯

2025年5月に開催した「WHOLE TREE EXHIBITION」では、展示に合わせて数量限定で〈小代焼ふもと窯〉二代目・井上尚之さんによる特別な受け皿を製作しまた。いつものPALO SANTO PLATEに模様が加わるだけで印象が変わります。

 

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ご存知の方もいらっしゃるかもしれませんが、「WHOLE TREE」は、ランドスケーププロダクツが“木”の持つ無限の可能性に注目して展開しているブランドです。今回の受け皿は、そんな「WHOLE TREE」が手がけるパロサント用のお香皿として特別に制作されたものです。

一見すると、“木”と“陶器”は関係なさそうに思えますよね。でも、今回の取り組みにはちゃんとした背景があるんです。そのお話をさせてください。

〈小代焼ふもと窯〉は、雲仙・島原半島を望む自然豊かな小岱山の麓にあります。ここで作られている〈小代焼〉は、400年もの歴史を持つ伝統的な焼き物です。その中でも、6袋の登り窯を持つ〈ふもと窯〉は、古くからの技術を大切にしながら、今も手作業で作陶を続けている、九州を代表する窯元のひとつです。

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プロジェクトのきっかけは、数年前に〈ふもと窯〉を訪れたときのこと。敷地内に、大量の薪がきれいに積まれているのを見かけました。今では電気窯やガス窯も主流ですが、昔ながらの登り窯を使っている工房では、たくさんの薪が欠かせません。

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そのとき、「この薪ってどこから来てるんだろう?」という疑問がふと湧いてきました。

井上さんにお尋ねしたところ、地域の間伐材や端材、近くの建物の解体時に出た柱材など、地元で出た木材を使っているそうです。さらに、小代焼の特徴でもある釉薬にも、薪や藁の灰が使われているとのこと。焼き物づくりの背景には、見えないところで“木”の存在が大きく関わっていることが分かります。

そういったエネルギーの循環や、木との関わりをみなさんに紹介したいと思いました。

実際に今回の香皿制作に向けて工房を再訪したときも、井上さんが電話で「行き場のない木材を受け入れられないか」と、地域の方と話している声が聞こえてきました。その量、なんと2トン!「ありがたいけど、置く場所がないなあ〜」と笑いながら話していたのが印象的でした。ちなみに、1年間で1トン近くの薪を使うそうです。

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〈小代焼ふもと窯〉のものづくりの根っこにも、 “木”の力がしっかりと息づいていました。

今回の香皿は、井上さんが得意とするスリップウェアの技法を取り入れ、グラフィカルでこれまでにない表情も楽しめるデザインになっています。一つひとつ手作りなので、どれも少しずつ違う表情を持っています。そんな一点ものの魅力を感じながら、ぜひお気に入りを見つけて楽しんでいただけたら嬉しいです。

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PALO SANTO PLATE / ふもと窯 黄
PALO SANTO PLATE / ふもと窯 茶
PALO SANTO PLATE / ふもと窯 白

◯ 小代焼 ふもと窯
小岱山で採れる鉄分の多い土を成形し、土の味と窯の力だけで素朴で力強い焼き物が出来上がります。その伝統ある窯元の2代目 井上尚之さんは、伝統の中に自分らしさを取り入れたスリップウェアの手法を中心に作陶を続け、テーブルウェアに限らず現代の暮らしに調和する作品を生みだしています。

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