Rick Yoshimoto

Rick Yoshimoto

リック・ヨシモトという人物をご存知でしょうか。
彼はニューメキシコ州サンタフェにアトリエを構え、ずっしりと存在感のある木製のスツールやテーブル、木目に想を得た絵画などさまざまなメディアの作品制作しています。
今回はその中で彼が手がけたセラミックのプレートを紹介します。

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彼のつくるプレートは、今年、ATELIER MUJI GINZAで開催された“MODERNISM SHOW”にて日本では初のお披露目となり、そちらでご覧になった方もいるかもしれません。その造形的な意匠が目を引き、プレートという言葉でイメージされるものとは、とても距離があるものだったために記憶に残っている方もいらっしゃるかもしれません。

では、どのような特徴がそのプレートには備わっているのか。
たとえば、壁に飾ったり皿立てで一角に飾ったりするようなアートピースとして愉しむだけでは見えてはこない側面です。

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セラミック以外にもいろんなマテリアルで制作していることは前にお伝えしましたが、その多面的なものづくりが一直線でつながっているように感じます。

つまり、粘土があたかもキャンバスのように見立てられて絵が描かれ、また釉薬を抽象画を構成するように掛け分けたり、さらに木の皮を押し付けることによって独特な質感をもたらしています。
起伏をつけることで更に奥行きが生まれ、一見してプレートには不必要とは思われる意匠がそこかしこに仕掛けられています。

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彼のプレートに触れると、プレートはもっと自由であってもよいのではないか?という思いにかられます。
たとえば皿という言葉でイメージされるのは、卓上に料理が盛り付けられるような平面的なものというところじゃないでしょうか。
このプレートには、そのような先入観で固められたイメージから解放してくれるようなおおらかさがあります。

彼は過去にこのように語っています。

「いつも表裏の両面にも釉薬を施します。それは実際に使って欲しいからです。ただ壁に飾っておくようなものではない。使って欲しいからこそ、裏側も同じように重要なのです。」
(Rick Yoshimoto on nature and geometry By Samantha Kimmey 06/25/2015)

そこには表も裏もないのかもしれません。そこではプレートというものに求められる造形は、必要不必要といった機能性から自由です。
もっと皿で遊ぼうと呼びかけてくれるようなリックさんの作品は、使い手の視線や感性を養い、より豊かな生活者へと導いてくれるのではないでしょうか。

ぜひこの貴重な機会にご覧ください。


Playmountain 柳田・品川

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