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WHOLE TREE : RED CEDAR SERIES
香りのプロダクトを多く手掛ける「WHOLE TREE」ですが、昨年発売された「RED CEDAR SERIES」は、ブランドの新たな広がりを予感させます。というのも、「WHOLE TREE」は定期的なプロダクト制作をせず、出会いや学びを優先してきたため、これまで新作の発表は長らくありませんでした。 WHOLE TREE:RED CEDAR SERIES 「WHOLE TREE」のゆったりとした活動の中で「RED CEDAR SERIES」が生まれたのは、カナダ産のウエスタンレッドシダー専門店である高広木材株式会社との出会いがきっかけです。 ◯高広木材との出会い北米の先住民族が「生命の木」と呼ぶ、美しい木目を持つウエスタンレッドシダー。その風合いと特性に魅せられるうちに、高広木材株式会社と出会いました。何度もショールームを訪れる中で、代表の高広氏から伺う話は雄弁で奥深く、管理の行き届いたショールームからは彼らの仕事への信頼が感じられました。 高広木材は、元々羽柄材問屋(羽柄材:木造建築において、構造材を補う補助材や下地材を指します)として創業しました。その後レッドシダーを取り扱うようになると、その販売方法が分からず、情報を収集したり自ら実践してノウハウを蓄積したりしました。その結果、「レッドシダーのショールーム・実験場兼オフィス」として自社社屋を建設するまでに至ります。 木材の特性を活かし、適材適所での使用と適切なメンテナンスを行うことで、ウエスタンレッドシダーはその魅力と性能を長年にわたり発揮します。まさに、扱う者の学びと知識が試される木材と言えるでしょう。 ◯端材への新たな息吹もう一点、カナダから規格材として輸入されるウエスタンレッドシダーは、国内で再加工される際に多くの端材が生じます。高広木材では、その端材すらも丁寧に保管していました。この美しく保管された端材に新たな命を吹き込むことこそ、「WHOLE TREE」ができることだと考え、このシリーズが誕生しました。 「RED CEDAR SERIES」には、あえて特定のカテゴリーを設けていません。それは、端材を出さず木材の特徴を活かした最適なプロダクトをデザインするという考えに基づいているからです。 小さめの腰掛けStoolは、レッドシダーのもつ耐久性と、濡れる事で芳香する木の特性を活かし、バスルームなどの水場の空間を心地よく彩るツールとなることをイメージしました Shamoji は削り出しで成形されています Cutting Boardは、手がけのくぼみと、反対側の丸い意匠は、まな板で切るものによって表裏を返す時のスムーズな動きを想定して形にしています 日常で使えることをコンセプトにした「RED CEDAR SERIES」を通して、ウエスタンレッドシダーの魅力を直接感じていただけたら幸いです。
WHOLE TREE : RED CEDAR SERIES
香りのプロダクトを多く手掛ける「WHOLE TREE」ですが、昨年発売された「RED CEDAR SERIES」は、ブランドの新たな広がりを予感させます。というのも、「WHOLE TREE」は定期的なプロダクト制作をせず、出会いや学びを優先してきたため、これまで新作の発表は長らくありませんでし...
Table Maintenance
ダイニングテーブルの手入れの手順を紹介します。経年変化した色味も魅力的ですが、リフレッシュした姿がとても気持ちよかったです。ビンテージ品などもお手入れをすることでキリッとした印象に変わります。みなさまもぜひお試しください。 ○ダイニングテーブルの細かい傷や輪シミを取り除くお手入れ方法○1. 天板を固く絞った布で拭き、表面の汚れを拭き取ります。2. 紙やすりを目の荒いものから順番にかけていきます。(目の荒さは数字の大きさに反比例します) やすりをかけるときは、木目に沿った方向でかけてください。今回は全面にかけましたが、部分的な作業でも構いません。3. やすった後に出た木の粉を落として、柔らかい布を使いみつろうクリームを天板に薄く満遍なく塗ります。4. 30〜60分ほど乾かした後、新しい布で乾拭きをして完了です。 ※布は、タオルなどのパイルのようなものよりも、 着古したTシャツなど目の詰まったものがおすすめです。
Table Maintenance
ダイニングテーブルの手入れの手順を紹介します。経年変化した色味も魅力的ですが、リフレッシュした姿がとても気持ちよかったです。ビンテージ品などもお手入れをすることでキリッとした印象に変わります。みなさまもぜひお試しください。 ○ダイニングテーブルの細かい傷や輪シミを取り除くお手入れ方法○1. 天...
Marmoleum Sereis
オリジナルプロダクトラインでもあるMarmoleum(マーモリウム)シリーズについてお話しします。 この聞きなれない“マーモリウム”とは 素材の名称を指し、床材として使用されることが多い建材です。 見た目はビニールのようですが、亜麻仁油や石灰岩などの天然の材料からできており、環境に優しい素材として、医療・教育・公共施設、オフィス、店舗、住宅など、世界中の様々な場所で使用されています。 “リノリウム”というと、聞き覚えがある方もいらっしゃるかもしれませんね。 Alvar AaltoやMagnus Olesenをはじめ世界中の様々なデザイナーたちが、テーブルやスツールなどのトップに好んで使用しています。 カラフルだったり、程よい中間色もあったり、絶妙に柔らかさをもつ弾力も魅力です。 マーモリウムもリノリウムの一種なのです。 そんな素材をランドスケーププロダクツの家具へも使用できないかな と、資料を見ていたときに、面材でありながら可塑性(力を加えて自由自在に形を整えることの出来る物性)があり、床から壁に緩やかに立ち上げたり、曲面成形ができる特性に着目し、その特性を活かしたプロダクトに転用するのはどうかという考えに行き着きました。 数あるマーモリウム材の中でもぼくたちはチョコレートの製造時に残ったカカオ豆の粉砕した殻を素材へ加えたグラフィカルな表情のものをチョイス。 もちろん、家具にも使用して、天面の新しい選択肢を増やしました。 今後はシリーズのバリエーションも徐々に増やしていこうかと考えています。 現在ではあたりまえのように新しいデザインの誕生や、様々な素材の加工が可能となっていますが、振り返ってみれば、ブロイヤーやアアルト、イームズなどといった時代を超えたデザイナーたちの着眼点、また理想の実現に向けた信念と技術革新の賜物によるものが大きいのです。 木が曲がっていたり、鉄が曲がっていたり一見あたりまえのことのようですが、その手法やなぜそれが成り立っているのか?に注目してみてください。 これまでのあたりまえが違って見えてくるかもしれません。 そんな偉大なデザイナーたちには足元にも及びませんが、彼らに敬意を表してぼくたちなりの目線でこれからも物づくりを行っていきたいと思います。
Marmoleum Sereis
オリジナルプロダクトラインでもあるMarmoleum(マーモリウム)シリーズについてお話しします。 この聞きなれない“マーモリウム”とは 素材の名称を指し、床材として使用されることが多い建材です。 見た目はビニールのようですが、亜麻仁油や石灰岩などの天然の材料からできており、環境に優しい素材と...
MarfaとJudd
書籍Donald Judd / Spacesをみていると、2016年11月の出張の折りに、アメリカ・テキサス州の南部にある〈Marfa〉マーファという小さな町に立ち寄った時の記憶が頭の中を駆け巡りました。 MarfaといえばDonald Judd。と漠然と認識してたものの、これまでこの土地を訪れた諸先輩方が興奮気味に話すその意味をいまひとつ理解しきれずにいました。 そんな中、幸運なことに実際にMarfaを訪れる機会をいただき、そこで感じた高揚感は忘れることができません。 ミニマル・アートやJuddについてほとんどの知識を持っていなかった僕でさえ、知識や言葉を超えた格別な実感がこの土地にはあったのです。 *ドナルド・ジャッド:Donald Judd 美術作家。1928年、アメリカ・ミズーリ州生まれ。1950年代後半から画家及び美術評論家として活動。1960年代に立体作品を発表し始め、特に箱形のオブジェを規則的に配置する作品が注目を集めた。この時期から広まったミニマル・アートの代表的な作家とされている。1977年にテキサス州マーファに移住して作品を制作し、同地域に恒久展示されている作品も多い。1994年没。 エルパソ空港から荒野をひたすら3時間ほど、あたりは砂漠地帯でこれぞテキサス!という乾いた空気感の中を走ったあたりにMarfaはある。 陸の孤島といわれるほどのアクセスの悪さに加えて、街自体も小さく車で30分ほどで周遊できるほどの規模にもかかわらず、フードコートの周りに若い人が多くいたり、感じのいいサインペイントの壁や洒落た外観の建物・お店が目立ちます。 Donald Juddは1977年49歳の時にニューヨークからこの地に移り住み、第一次大戦時の大きな米陸軍の施設を再利用して自身の理想となるアートの恒久展示を行いました。彼の死後は財団(Chianti Foundation及びJudd Foundation)が管理し、現在に至るまで一般に公開されています。 エントランスででチケットを買って自由に〜というミュージアムスタイルではなく、何時に集合という形でスタッフの方が同行してツアーです。 早速、スタッフに案内されながらDonald Juddの作品の建物を歩く。 大きな窓から差し込む自然光が均一に整列された作品を包み時間がゆっくりと流れる。 本来、無機質で冷たいイメージの素材が、形と配置の妙で、大きく印象を変えることができるという事実に驚きました。 ふと窓から外を眺めると広大に広がる荒野。 空には変わったカタチの雲が立ち込めていて、グッと土地に引き込まれる感覚を覚えました。 ここにくるまでのJuddのイメージは色鮮やかでどちらかというと都会的なイメージだったのですが、作品を取り囲む環境との調和が作品を超えて強烈に印象に残りました。 Marfaの訪問から数年経ったあと、某先輩から、「Juddって思想だよね」という言葉を聞いて、ぼくはすごく腑に落ちました。 この椅子も、このテーブルも、思想を具現化したようなもの。だから魅力的なのだと思います。 系列店のカフェTas YardにもJuddへのリスペクトが込められているのをご存知ですか? この回転扉に、見覚えありませんか?...
MarfaとJudd
書籍Donald Judd / Spacesをみていると、2016年11月の出張の折りに、アメリカ・テキサス州の南部にある〈Marfa〉マーファという小さな町に立ち寄った時の記憶が頭の中を駆け巡りました。 MarfaといえばDonald Judd。と漠然と認識してたものの、これまでこの土地を訪...
壷田和宏・亜矢
2024年はじめの企画として、宮崎県高千穂町を拠点に活動を行う陶芸家 壷田和宏・亜矢さんの展覧会を開催します。これまで土鍋やテーブルウェアを中心に取り扱いさせていただいていましたが、展覧会は初めての取り組みです。 SNSを通じて垣間見える彼らの暮らしぶりに興味があり、コンタクトをとったのが約2年前。昨年2月に念願叶ってはじめて高千穂を訪れ、その後、12月にも再訪し彼らの暮らしぶりに触れてきました。ここでは、そのときの話を紹介しようと思います。 壷田さんの住まいまでは熊本空港から車で約1.5時間。 ワクワクしながら指定の住所に向けて車を走らせました。あえて阿蘇山を通る遠回りなルートを選択。 冬の阿蘇は黄褐色が一面に広がり、その景色はまるでカリフォルニアの砂漠地帯とも重なるような、日本じゃないような不思議な感覚がありました。 そうこうしているうちに、到着。 セルフビルドしたであろう、雰囲気の良い家屋と、山の斜面にはポツポツと見えるいくつかの小屋。 まわりは山に囲まれていて、どこからどこまでが壷田家の敷地なのかわかりませんが、山羊や鶏たちも自由に生活しています。 そしてもちろん奥のほうには窯が。 出迎えてくれた和宏さんが「お昼にしましょう。」と食卓へ案内いただき、地元の食材をふんだんに使ったなんとも贅沢な最高の手料理を振る舞ってくれました。 壷田さんたちの暮らしの環境を目の前にした際に、アーティストである坂口恭平さんが自身の著書の中で“家”について言及した一節が、ものすごくリアリティを纏って脳裏を巡りました。 〈住人自ら作った家というのは、絶えず運動と変化を繰り返し、秩序とずれが同居している。輪郭は常にゆらゆらと揺れ、しかもそれが調和をうみだしている。その姿は建築物という3次元の世界を軽く飛び越えてゆく。〉 余談ですが坂口恭平さんも壷田ファンとのことです。 食事をしていても会話をしていてもやはり気になるのが、どこに視線を置いても目にはいる作品の数々。 家の中や工房内はもちろん、彼らの広い敷地内のどこを見渡しても至る所に作品が点在しています。 片っ端から手に取りたいほどですが、もちろんそれをしていると時間がいくらあっても足りないので断念。 彼らの生活の中心に創作活動があることは、この環境を見れば明らかでした。 点在する作品は彼らの日々の軌跡といえるでしょう。 その後、展覧会にむけた内容をぼんやりと考える中で、個人的に初めて手にして愛用しているシンプルな白磁の器を紹介したいと感じるようになりました。 今回の展覧会は白磁の作品を中心にリクエストしています。 それとは別に、普段とは違うモノづくりの提案もしてみました。 彼らの自由な発想と技術、加えて暮らしを楽しむ好奇心のカタチは食卓のツールだけにはとどまらないはず と考えたためです。 そんなある意味無茶な投げかけに応じていただき見せていただいた作品が、案内状にも起用したバードハウス(鳥の巣)。 野生のシジュウカラが好む巣穴のサイズを再現するあたりに、壷田さんの好奇心が伺えます。
壷田和宏・亜矢
2024年はじめの企画として、宮崎県高千穂町を拠点に活動を行う陶芸家 壷田和宏・亜矢さんの展覧会を開催します。これまで土鍋やテーブルウェアを中心に取り扱いさせていただいていましたが、展覧会は初めての取り組みです。 SNSを通じて垣間見える彼らの暮らしぶりに興味があり、コンタクトをとったのが約2...
Carl Auböck
この会社に入社して初めての海外出張は、オーストリアでした。中原さんとの海外出張は初めてだった上に大先輩方も一緒で、緊張しっぱなしでとにかくついて行くのやっとの旅でした。そんな中でも、旅の目的だった真鍮の工房 Werkstätte Carl Auböckに心躍らせたのをよく覚えています。 現在のカール・オーボックの祖父にあたる2代目カールオーボックは第一次世界大戦後バウハウスにてデザインを学び、私たちの知っているいわゆる ”Carl Auböck” のモダンなデザインを確立しました。2012年に出版された「CARL AUBÖCK THE WORKSHOP」の中のインタビューでもウォルター・グロピウスの名前が度々登場します。アメリカに渡ったグロピウスがアレンジして、3代目カール・オーボックがイームズの家にホームステイしたことや、Leslie Williamson の 「Handcrafted Modern」にあるグロピウスのデスクにはオーボックのペーパーウェイトが並んでいるのを見ると、親交の深さが伺えます。 私が工房を訪問したのは2013年、marimekkoのストライプシャツがよく似合う4代目カールオーボックが案内してくれました。 アーカイヴの部屋には、Playmountainでおなじみのオブジェやブックエンド、キーリング以外にも、ドアノブやつまみ、壁に取り付けるフックなど、彼らの生み出す表情豊かな製品が並んでいました。余談ですが、系列店のtasyardとcoffee kiosk sendagatyaのドアノブはCarl Auböckのものを使っています。 大切に保管している原型も見せてくれました。代々丁寧に受け継いできたことが伺えます。 カールオーボックは自社の製品だけではなく、カトラリーや食器、鍋、キッチンツール、テキスタイルなど、これまでにたくさんの製品を世に送り出してきました。工房にはそういったデザイン仕事のアーカイブもたくさんありました。 とあるお店にあった食にまつわるプロダクトのカタログからは、木、エナメル、ガラス、金属とさまざまな素材と関わっていたことをがよくわかります。色使いやシルエットなど、チャーミングな要素があり面白いです。 Playmountainもこれまでに、オリジナルのリングやネックレス、レザーのブレスレットを制作してもらいました。画像は、サンプル作ってみたよと見せてくれたもの。特別制作の相談にも面白がって取り組んでくれるのも彼らの良いところです。今も販売しているものもありますので、Online Shopもぜひ覗いてみてください。 Carl Auböck の存在を知ってから、ずっと欲しかったナイフを最近手に入れました。緩やかにカーブした曲線がきれいなシンプルなシルエットで、持ち手に籐が巻かれています。 元々はフルーツナイフなのですが、私はバターナイフとして使っています。バターを塗るという単純な動きですが、好きな道具を使うことで、食事の楽しさが増していることに気がつきました。まだまだ私のAuböck 熱は冷めそうにありません。年をとってもきっとこの思いは変わらないんだろうなと思います。 木下...
Carl Auböck
この会社に入社して初めての海外出張は、オーストリアでした。中原さんとの海外出張は初めてだった上に大先輩方も一緒で、緊張しっぱなしでとにかくついて行くのやっとの旅でした。そんな中でも、旅の目的だった真鍮の工房 Werkstätte Carl Auböckに心躍らせたのをよく覚えています。 現在の...